MASTERキートン

「MASTERキートン」は、1988年から1994年までの間に、青年漫画誌「ビッグコミックオリジナル」に連載された漫画です。
主人公は考古学の道を歩みたいと思いながら大学の職になかなか就く事がつけず、非常勤講師どまりです。
そこで、元SASに所属していた軍人というキャリアと考古学の知識をを活かし、探偵業も行う事で収入の足しにしています
。MASTERキートンの魅力は色々とありますが、考古学的な知識や、現在の政治面での世界情勢などがリアルに描かれて、大人の鑑賞に堪えるものに仕上がっている点ではないでしょうか。
MASTERキートンの物語は、1話完結のものもありますが、複数話をひとまとまりにしてひとつの話となっているものが多いです。
最終話となるルーマニアの物語では、単行本1冊でひとつの話になるほどで、ひとつひとつの話は、まるで映画のように深いものが多く、それを漫画で楽しむことが出来ます。
そして、話の文化的な深さは無数にある漫画の中でも上位に来るものと感じます。
たとえば、西洋の童話「ハーメルンの笛吹き男」に題材を取った話。この物語は、第2次世界大戦時に行われたユダヤ人に対するホロコーストの物語と、「ハーメルンの笛吹き男」童話の伝説に関する解釈、そしてこの漫画で描かれるある事件の物語が、ひとつの物語として一本につながります。
また、タクラマカン砂漠を舞台にした初期の名作では、砂漠に放り出された主人公と考古学者チームが生き抜くさまが、実際のサバイバル術や遺跡発掘の知識をもとに、丹念かつリアルに描かれます。
知的好奇心を刺激され、大人の鑑賞に堪える作品、それが「MASTERキートン」という漫画の最大の魅力だと思います。